PICK UP ARTIST
菊地成孔 3DAYS
LIVE DATE
12/2(火) 24(水) 25(木)
MEMBERS
2日 菊地成孔 クインテット
菊地成孔(Sax,Vo)林 正樹(P)宮嶋洋輔(G)小西佑果(B)秋元 修(Ds)

24日 菊地成孔 トリオ
菊地成孔(Sax)須川崇志(B)秋元 修(Ds)

25日 菊地成孔 Solo
菊地成孔(Sax,Pf,Voc,Sabal,Rap)

INFORMATION

開場19:00 開演19:30

前売¥5,500 当日¥6,050(共に、1ドリンク付)

 

◎チケットぴあ(https://t.pia.jp)にて、チケット前売り中!

新宿ピットインでの店頭販売分は売り切れました。

 

*チケット発売日に限り、お1人様各日2枚までの、ご購入となります。
Pコード:311-631

 

ちと早いですが新宿ピットイン様創業60周年おめでとうございます。1965年つったら北爆が開始され、イザナギ景気が開始、マルカムXが暗殺され、僕が2歳になって、内心で「あと4~5年経ったら、実家(飲み屋)の手伝いをしなくちゃなんねえな」と腹を括った歳ですから忘れられないですね。新譜としてコルトレーンの「至上の愛」やマイルスの「ESP」がリリースされてたんだからガチンコもガチンコでしょう。

 

50周年の時は、相倉久人先生が亡くなって、僕、代理で文化センターの司会やって、諸先輩方から「なんでお前が司会やんの?」という感じで、それはそれは冷たい視線にさらされ「全員ぶっ殺してやる」と心に固く誓った若気の至り笑。あれから10年。少しは大人になったものだと思います。

 

というか、1965年から60年。日本のジャズ界にもいろんなことがあったものです。天国におられる、地上におられる諸先輩方を心から尊敬します。能や狂言の世界みたいに、20代から90代までが現役でいる世界になるなんて、1965年の当時のあの先輩、あの先輩、あの先輩たちは思っていたのでしょうか。そして、まだ20代だったり30代だったりしていた、諸先輩方は、60年後の未来即ち今年を見たら、どう思うのでしょうか?

 

「たった今」というのは、いつだって最低最悪に絶望的で、いつだって希望に満ち溢れていると思います。過去や未来と比べ、どんだけ苦いもんなんだろうか。「たった今」というのは。ジャズは、他のどの音楽よりも、その苦味をとことん味わうための音楽なのではないか?と思っています。

 

お客様のご愛顧、ご指導ご鞭撻賜りまして、僕のようなジャズ界の出来の悪い放蕩息子が「年末の3デイズ」の枠を頂戴して20年ほど経ちます。その1回目からずっと継続しているプログラムがありまして「大友良英とのデュオ」と「山下洋輔とのデュオ」です。鈴木店長から「あの2つを文化センターでやってよ」と言われ、「え?あれやんの?笑。あんな密室プログラム汗」とたじろいだのですが、日本のジャズ界もすっかり老け込みまして、暴動のような事も久しく起こっていないでしょうから、文化センターにお越しくださった日本のジャズファンの皆様から野次られたり考え込ませたり、死ぬほど感動させたり、死ぬほど怒らせたりして、とにかく無駄に血圧をを上げ、寿命を縮めてしまおうと思っております。

 

その代わりに、今年の年末の3デイズは、もっと酷いことになります。大友良英、山下洋輔は日本を代表する偉大なジャズメンですが、今年はその代わりに、僕がジャズピアニストとして、ピアノトリオで演奏するのと、生成AIを使って、1人だけでパフォーマンスをします。「え?何言ったお前、今?」と思ったでしょう。

 

菊地成孔

 

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